2014年8月1日金曜日

クライアントワーク 「紙わざ大賞入賞作品展」@フェルケール博物館 チラシ、ポスター

本日。
銀行へ行こうと事務所を出たのに、通帳を忘れてUターン。

死ぬ間際の走馬灯が、人生の「二度手間」をまとめた動画集だったら、成仏できません。


そんなプチ二度手間常習犯の僕ですが、
今回のクライアントワークは久々の超短納期にも関わらず、
スパッと気持ちのいいのが出てきて、どうにか7月中の納品が完了しました。ふう。。


僕にとって馴染み深い地元清水区のフェルケール博物館で、
特種東海製紙株式会社 が長年行なっている「紙わざ大賞」から、
これまでの入賞作の展示が行なわれます。

静岡県長泉町の特種東海製紙株式会社工場に隣接している、
紙の資料館のPamは坂茂さんの設計。

紙のサンプルも色々見れるのですが、館自体が予約制だったと思います。

先日打ち合わせでお邪魔して、前日までPam内で行なわれていた作品展を見させてもらいましたが、とてつもない技巧系から、アイデア作品まで幅広く飽きない展示でした。


フェルケール博物館の学芸員Cさんから
「これは池ヶ谷さんだなと思って!」と依頼していただいたのは、
チラシとポスターのデザイン。


内容を聞いて、確かにそれは僕ですよ!と珍しく自信たっぷりで引き受けました(笑)。

とは言え、考えないと何も始まりません。。
「紙わざ大賞の入賞作品展」と言うからには、紙をどうにか調理したいけど、
紙わざ大賞とガチンコ勝負しない、やりすぎないアイデアが良い。。。。。。。

そして、依頼を受けたその日の夜中に、
自宅でウロウロしていて思いついたチラシの完成品はこちら。

※中央の「紙」の文字はオフィシャルのものですよ。

表はわけあって、シンプルです。
縦に3本、横に5本、折り目のためにスジが入っています。
スジは内容を仕分けるグリッドの役目もしています。

裏面にチラシの折り方の解説が書いてあります。
それを参考に折ると。。。



ゴミ箱になります。


チラシがゴミ箱に折られてもなお、チラシとしての機能を損なわぬよう、
展覧会名、日程、会場名は見えるようにレイアウトしています。


チラシでコタツの上にゴミ箱を作ってくれていた祖母の思い出が深夜によみがえって、
このチラシのアイデアに行き着きました。

ありがとう、おばあちゃん!


僕は常々、自分の作ったものが、「何をしでかすか」を考えてデザインをしています。

もちろんこのチラシを受け取った方が、フェルケール博物館に行くのが
最大の目的ですが、
「紙」という消費物が、「情報」だけで終わるのではなく、
その機能を終えて丸めて捨てられる前に、短い時間だとしてもゴミ箱に生まれ変わって
紙としての寿命を少し延ばして欲しいと願いました。

紙を取り扱う特種東海製紙株式会社の冠の付く展示のチラシとして、
自分でも腑に落ちたアイデアだったわけでございます。


ポスターも基本デザインは近いです。

ポスターだと大きいゴミ箱になりますよ。

尚、チラシにはもう一つ、きっと気づかれない仕掛けを施しておきましたので、
ぜひどこかでお手に取ってくださいませ。

そして、フェルケール博物館へ!
8月23日〜10月12日まで開催します。

そうそう、今年の紙わざ大賞も募集中ですよ! →WEB