2010年5月29日土曜日

Timeware

Timeware (時間の器)

過ぎ行く時間がもう一人の職人です。
「時間の器」の名の通り時間の経過と供に、日常の使用や酸化などで
その風合いをゆっくりと変化させていきます。
器の裏面に1つ1つ刻まれているのは器が生まれた誕生日の日付です。
その日から始まった色の変化を、時間をかけて末永くお楽しみ下さい。


刻印(焼き上がった日付)


左が生まれたばかり。右は3年後。


会社で出した新作の話。

この器は長崎の窯で作られ、そこがもともと作っていた器に
新しいコンセプトと名前を付けました。

そこの職人さんが
「この銀の器はキレイなんだけど、酸化して変色したっていうクレームがあったりして難しいんだ」
と言っていました。

このネガティブ要素をポジティブ要素にできないか???

そう考えて思いついたのが、焼き上がりの日付を裏に刻印するというアイデア。
日付の刻印に対して嘘はつかない。
過去の日付も未来の日付もNG
器として焼き上がった日付である事が大切。

その器に日付けを刻印してあげれば、革が時間を経て味を増すように、ジーンズの色落ちが美しい様に、シルバーの変色をポジティブに捉える事ができるんじゃないかと思ったんです。
自分の茶碗を買った日の事は覚えていても、その器が生まれた日付は知りませんよね?

もしかしたら自分の誕生日と同じ日に生まれた器に出会う事もあるかもしれません。
ちなみに、10個以上なら希望の日に器を焼き上げる事もできます。
記念日や、引き出物にも良いかもしれません。
興味を持ってくれた方はご連絡下さい。


既に存在している物の魅力を引き出す為に、コンセプトという道筋を再整備するという仕事も
もっとやっていきたいと思いました。
あらゆるコミュニケーション渋滞を緩和したい!