「お茶の販売に関する企画のためのビジュアルデザインをお願いしたい」
との依頼を受けてデザインしました。
いつものことですが、基本的にすべてのクライアントさんからは最初にあまり細かな指定はありません。
どの方向性で行くかをこちらから提案することで形になっていくものです。
「お茶に関するメインビジュアルを」ということで、
そもそもお茶とは何かというところから考えをスタートしました。
「お茶とはなにか?」の1つの答えを導き出すキッカケをくれたのは、
改修工事中の家で黙々と働く大工さんでした。
あまり休憩もとらずに頑張ってくれる大工さんは父の友人。
優しい笑顔と、タバコを根元まで吸うのが特徴です。
一人作業を進めてくれる大工さんを、両親が休憩に誘うための言葉は、
「お茶が入りましたよ。」という言葉。
子供の頃、みかん切りや茶摘みの手伝いをすると、
10:00と15:00と2回もおやつの時間があって、嬉しかった記憶があります。
デスクワークの僕には、おやつの時間はなく、喉の渇きに気づいた時に
勝手に飲み物を飲むのが基本。
もう一度、
「お茶にしようよー」と、大工さんを休ませようとする父の姿を見て、
あぁ、お茶は時間を作っているんだなあ。という気持ちに至りました。
手を止めて、一杯飲んで、少しお菓子をつまんで。
その時間を作る事がお茶の存在意義の一つと言えます。
今回のビジュアルでは、「茶」の漢字をテーマにしました。
茶の文字の一部を時計の針に担ってもらっています。
文字盤をずらしているので、3:00になると、「茶」の文字が完成します。
11月23日までの間、静岡市美術館ミュージアムショップで時間を刻んでいます。
bougieeさんのMIHOMATSUBARA KOOKIESも定番商品として並んでいますので、
ぜひお茶菓子にお買い求めください。